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十兵衛さんにお別れを告げに行ってきました。
 寝苦しい眠りをぬけ、久しぶりにとても蒸し暑い、今にも夕立ちがきそうな夕方、江古田の斎場まで中村十兵衛さんにお別れを告げに行ってきた。
 江古田駅に着くと雨が迎えてくれた。
 斎場に入ると初対面の十兵衛さんのパートナー、須美子さんがお声をかけてくださって、いっしょに十兵衛さんのところへ。
 ゆったりと眠るような十兵衛さんの顔。ゆうべ訃報を聞いて涙をこらえたから、顔を見たらどうなるのだろうと、一晩苦しんだのだけれど、不思議なことに十兵衛さんの安らいだ顔を見たら、まるで救ってもらったような気持ちになった。
 ガンで入院して数カ月、亡くなる前日もかなり痛みに苦しんでいたとのこと。でも最後を迎える前は痛みも和らいで「眠るように」逝かれたらしい。だからなのか、今にも目覚めそうな、やわらかい表情だった。
 十兵衛さんとの長きにわたる共演者であり、現在の日本のバンジョープレイヤーとしても屈指の才能の持ち主である原さとしくんとの久しぶりの再会。今回の十兵衛さんの逝去にあたって中心となって動いていただけた様子。
 聞けば、十兵衛さんは入院中も抜け出してライブをやっており、新曲も書き続けていたらしい。次次回くらいまで、演奏曲目の指示もあったらしく、そのことを原くんと須美子さんが涙笑いで語ってくれる。
 十兵衛さんがこんなに早く亡くなるなんて悲しくてたまらない。だからオレはちゃんと悲しみます。
 そして理屈でなく十兵衛さんに、ありがとう。と思いました。
 「マンドリン、かき鳴らせ、ウディ!」と言うリフレインを持つ歌が、僕の手許にある十兵衛さんのアルバムには入ってないんだけれど昨夜、訃報を受け取ってから十兵衛さんの声でオレの中で響きつづけています。
 まだ実感のわかないオレだけれど、さようなら、十兵衛さん。本当にありがとう。
 そうだ、オレが橋本潤さんといっしょにやり始める以前に、潤さんとオレが別々のセットで出演したイヴェントを見に来てくれた十兵衛さんが(そのときの潤さんは、潤さんのベースフレーズと同様に身体が音楽そのものに踊っていました。十兵衛さんは潤さんに関しての予備知識はまったくなかったのに)ステージの橋本潤さんを指差して「ああいう風にやればいいんだよ!」とオレに叫びました。そして偶然(あるいは必然)にもその日のオレの演奏を聴いて潤さんは「テラさんといっしょにやりたい!」と思ってくれたのですが。
by teradamachi | 2007-09-05 04:03
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