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中村十兵衛さんが逝ってしまった。
 中村十兵衛さんが逝ってしまった。今年は久しぶりにジョイントライブをしようねと言っていたのに。
 
 今日(日付けは変わったので正確には昨日9月3日だけど)髪を切りに、長いつき合いの美容師さんのところに行ってきた。オレと同い年の彼女と知り合ったのは高円寺のライブハウス「稲生座」。なんというかすごく人間ができた人で、話していて面白く、2、3ヶ月ごとに髪を切ってもらいながら色々話すのだけれど、今回も話していて「もう、自分達の誰がいつ逝ってしまってもおかしくないんだよね」という話をしていたところだった。
 日付けが変わる少し前に訃報が届いた。
 
 やはりその現実に出くわすときつい。悲しい。
 十兵衛さんと出会って10年ほどになるかな?出会って、お互いの音楽の、歌のファンになった。
 十兵衛さんの書く歌(歌詞もメロディーも)もギターのスタイルも声もとても独特で、オレはとても好きだった。歌ってみたいなあと思う歌が何曲かある。
 オレより年上なんだけれどオレのことをとても評価してくれていた。そしていちばん最近オレのライブに来てくれた後、「こんなにもすごい寺田町の世界があるのだから、そろそろストーリーのある寺田町の歌を聞きたいな。寺田町だったら絶対いいのが書けるんだから。」と言ってくれたとき、オレはちょうど今回のニューアルバムに入れた「その雨が降るまでは」の原形を書いたところだったので、すごいタイミングだなと思った。・・・だからニューアルバムを聴いてもらうのが楽しみだったのに。
 十兵衛さんがお酒を飲まない人であったせいか、オレと十兵衛さんは私生活でのつきあいはまったくなかった。それは別にかまわないのだけれど、オレはもっともっと長くおつき合いして、いっしょのステージに立つつもりでいたのに。
 ふだんでもライブでも(ギターは複雑なビートを刻んでいたが)とてもおだやかな感じの十兵衛さんだったけど、オレのバンドのときのライブ中、真ん前で激しく踊ってくれていたのがとても印象に残っている。
 オレと同様、多作な人で、いっぱい歌を書いていた。声は(偶然なんだけれど)若い頃の高田渡さんの声に似ていて、それもオレにはなにか微妙に響くものがあった。しょっちゅう東南アジアとか旅をしていて、本人の書くメロディーも日本人離れした不思議なものがあったり。でもとても日本語を大切にしていたと思う。

 ここ数年はあまり会う機会がなくて、今年は、と思った矢先のことなので、自分を含めて「人間の死」という避けられないことに日々覚悟をしていようと思いつつもこんなだらしないざまです。これでは十兵衛さんに失礼だな。
 本日、十兵衛さんにお別れを言いにいってきます。

 長きにわたっての十兵衛さんの「トイメンシャオ」での強力な共演者、スーパーバンジョープレイヤー、原さとしさんからの回メールを最後に転載させていただきます。

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皆様に悲しいお知らせです。
 トイメンシャオの中村十兵衛が本日、早朝に容態が急変し、永眠されました。
葬儀はご家族のご意向により密葬にて故人をお送りするとの事で、ご遺体は本日江古田
斎場に安置されました。
お通夜も一般のお葬式も行いませんが、故人にご面会される方は明日9月4日に江古田
斎場にてご面会出来るとの事です。
皆様に謹んでご報告致します。

  斎場:江古田斎場  〒176-0004 東京都練馬区小竹町1−61−1
            電話03−3958−1192(代) FAX03−3958
−4468
  斎場のお問い合わせ: 0120-62-1192
  *面会可能時間は9:00〜17:00迄との事ですが、宿直がいる場合は時間外も面会
出来るそうです。
   時間外に面会される方はお手数ですが斎場にお問い合わせ下さい。      
by teradamachi | 2007-09-04 05:16
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