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「珊瑚」曽根亘元(そねたかゆき)
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 木村ユウさんがどうして曽根亘元に名前を変えたのか理由は知らないけれど、上梓されて間もない詩集「珊瑚」(ポエトリージャパン発行poetry.ne.jp)を読ませていただいて、オレは参ってしまった。
 2005年刊行の木村ユウ名義での「クールズ(足)」ですっかり彼の作品のファンになってしまったオレなので、先日の飯能ライブの折りに新刊をいただいて、わくわくしながら読み始めたのでした。
 そしてそれは期待をはるかに越えたすごい作品でありました。(おかげでオレは帰りの電車で乗り過ごしてちょっと焦ってしまった・笑)
 本にはさまれた小冊子の中で、詩人である宮尾節子さんが曽根作品の魅力を見事に語ってくれている。
 「なんでこんなに面白くないんだろう。詩って。良さはわかるけれど。それは、良い人だけれどもてない人に似ているかもしれない。(中略)だんだん退屈になってきた詩を読む時間から、どこか光が射してこないか、誰か救い主があらわれないか、と待っていたところに登場したのが曽根亘元だった。彼の詩はすっと読めた。なんだか格好良かった。心に沁みた。泣けた・・・。詩のような映画がある。詩のような小説もある。なのになぜ、映画のように見せる詩がなく、小説のように読ませる詩がないのだろう。その不満に、一矢を報いたのが彼だった。(中略)愛と祈りを込めて書くべきものが書かれている。この詩集はきっと、魂に効く。」
 この彼女の言葉は全然大げさでなんかじゃない。
 子供の頃から詩を読んできているし、好きな詩人、好きな詩集にもけっこう出逢ってきているオレだけど、詩集を読みながら泣いてしまったのは48年生きてきて初めてのことだ。
 このことでまたオレは生きてきてよかったとまた思うことができた。
 曽根さんことユウさん、ありがとう。なんだか興奮して書いてしまってすみません。
 宮尾さん、勝手な引用ごめんなさい。宮尾さんにはまだお会いしたことありませんが、感謝です。木村ユウ作品で大好きな「ティグリス」の中でお名前とお言葉を読んで気になる存在でした。ありがとうございました。
by teradamachi | 2008-10-16 05:40
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