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「死をポケットに入れて」
 今こうしていること。こうしていられること。
ときには自分が不当に扱われているような気分になることもあるけれど、そしてときには不本意にも人を不当にあつかってしまったような気持ちになることもあるけれど、こうして自分が好きなことを妥協しないでやれていることを本当にありがたく、とてもしあわせなことだと思う。
 先日ツアー途中故郷に帰ったおりに、入院している90才になる伯母(母の姉)を見舞った。「いくつになった?」と聞かれ「45才ですよ」と答えると「いちばんいい年頃だね」と言ってもらえた。そういえばここ2、3年、年配の方から「いい年頃だよね」とか「働き盛りだね」とか言っていただく。自分ではまさしくそんな感じなので「そうなんですよね」とうれしくお答えするのだけど、俺が20才そこそこの頃は今の俺のこの年になってそんな風に思えるとは想像できなかったので、それだけでも素敵なことだ。生きててよかった(笑)。やがて必ず死んでゆく身体だからあちこちおりあいをつけながらつき合ってゆかねばなるまい。そんな風に思えることも素敵なことだと思う。もちろん死ぬことや病気になることはとても怖いけれど、もっと若いときはその「死」すらあまりに遠くて「やがて死にゆく身体」なんて自分の肉体を思えなかった。もちろん今だってそれほど覚悟できてやしないけどね。
 近年亡くなってしまった酔っぱらいのパンク爺い作家チャールズ・ブコウスキーの晩年のエッセイ「死をポケットに入れて」座右の銘にしたいタイトルだね。
by teradamachi | 2006-03-26 03:46
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